新国立競技場の木製椅子に最適な材料がありました。
2016/03/08
聖火台の設置場所がない等次々と問題が明らかになる新国立競技場の建設。今回私が注目したのはこちらのニュース。
新国立競技場のいすは木製を 自民が決議
自民党は25日、2020年東京五輪・パラリンピック関連部会で、メーンスタジアムとなる新国立競技場の観客席のいすを木製にするよう求める決議を採択した。
引用:産経ニュース(2016年2月25日)
プラスチック製の場合の費用は約20億円で、木製とする場合50億~60億円になるとのこと。また無駄にお金がかかる事を誰かが言い出したと思ったら、一応は考えていて差額分は寄付で賄おうという事らしい。寄付が集まる目途は立っていないみたいだけど…
どんな木を使うのか?
費用の事もたしかに問題ですが、どんな木材を使うのかが非常に気になります。全席で6万8000席にもなるので結構な量の木材が必要です。木材をたくさん使うことが森林破壊だと批判する人もいますが、それは数十年前の間違った古い考え方です。オリンピックでは持続可能な森林から生産された木材を使うのが前提ですので問題ありません。(これについてはまた別の機会に記事にしたいと思います。)通常、椅子と言えば堅くて丈夫な広葉樹が使用されます。しかし国産の広葉樹はあまり安定的に流通していません。
そこで誰が言ったのか忘れましたが、花粉症で問題になっているスギを使えばよいという声があがりました。確かにスギの木材ならふんだんにありそうです。しかしここで問題になるのはその強度。一般に杉などの針葉樹は密度があまりなくて柔らかく、椅子などの家具には向いてません。
やっぱりスギを使うのがよさそう。
でもありました!強度のあるスギ!飛騨産業の杉圧縮材です。私は別に飛騨産業の回し者ではありません。上松技術専門校に通っていた頃、見学に行き杉圧縮材が紹介されたので覚えていました。もしかしたら同様の商品を他の企業でも開発しているかもしれません。企業概要を見ると「FSCのCOC認証を取得しています。」とあるので、森林認証も問題なさそう。また杉は学名「Cryptomeria japonica」と言い、日本の固有種なのでもってこいです。
それと日本的なものにこだわるなら、別に木材ではなくてもよいのではないかと思いました。たとえば座面に畳を使用するとか…。今は防水の畳もあるようですし。
いずれにしてもプラスチック製に比べると天然素材はかなり耐久性が低いので、個人的にはこれ以上税金を使うのはやめて欲しいと思ってしまいます。